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クラウドオーケストレーションとCloudConductor

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皆さん クラウドオーケストレーション という言葉はご存知でしょうか。聞いたことの無い方でも、 AWS CloudFormationOpenStack Heat はご存知かもしれません。これらのツールを用いれば、複数の仮想マシンや仮想ネットワーク、仮想ストレージ等から構成されるシステムの基盤全体を、設定含めて整合した状態で一挙に構築することができるのです。今回はこのようなクラウドオーケストレーションツールの一種である CloudConductor について、その概要をご紹介します。


クラウドオーケストレーションとは

クラウドオーケストレーションという言葉は、ある意味バズワードのように使われています。単なる仮想リソースの自動プロビジョニングだけを指す場合もあれば、プロビジョニングされた各リソースの設定作業の自動化まで含む場合もあります。あるいはクラウド上のシステムの運用管理自動化という側面から語られる場合もあります。

そこで本稿では、以下の観点から「クラウドオーケストレーション」を捉えてみます。

システムの基盤を構成する複数のパーツ(サーバ・ネットワーク・ストレージ・・・)の依存関係と設定項目をテンプレートとして定義し、そのテンプレートを用いてシステム基盤全体を一挙にクラウド上へ構築すること

この観点のオーケストレーションを実現するソフトウェアとしては、以下のようなものがあります。

一方 VMWare vCenter Orchestrator は仮想リソースの運用ワークフローの自動化に焦点が当てられていますので、少し異なった観点のオーケストレーションツールと言えるでしょう。(なお IBM SmartCloud Orchestrator は、運用ワークフローの自動化という側面の機能も持っています。)

CloudConductorとは

CloduConductorは、弊社(TIS株式会社)が中心となって開発しているOSSのクラウドオーケストレータです。2013年に経済産業省の 産業技術実用化開発事業費補助金 を受けて開発がスタートしました。

ソースコードやサンプルテンプレートなどはApache License 2.0で公開しています。ご興味のある方は公式サイト http://cloudconductor.org/ やgithubリポジトリ https://github.com/cloudconductor をご確認ください。

CloudConductorのコンセプト

CloudConductorは、

  • インフラストラクチャ・アーキテクチャの設計に関するノウハウを、業務の実現、データの保全、負荷の分散、災害時の業務継続等の個別の要件として抽象化・形式知化して機械可読なパターンと成して集合知化することで、
    (Infrastructure Design Patterns as Code)
  • 誰でもいつでもどのクラウドにでも最適なシステムを自動的に再現でき、
    (Everyone, EveryTime & EveryCloud)
  • 必要なときに必要なだけのサービスレベルへ自律的にシステムを調整する
    (OnDemand Service Level)

ことを特徴とした、 インフラストラクチャ・アーキテクチャ・デザイン指向のクラウドオーケストレータ を目指しています。

CloudConductorとは.png

現在OSS公開しているversion 0.2.xでは、上記構想のごく一部(新規にテンプレートを作成し、シンプルなシステムをAWSかOpenStack Havanaへ構築すること)しか実装できていませんが、今年度も開発を継続してリリースを重ねる予定です。
「バグを発見した!」や「こういう追加機能があるとイイネ!」というご意見は、ぜひgithubリポジトリのissueへご登録ください。もしもPull Requestを送っていただければ、泣いて喜びます。

CloudConductorの効果

CloudConductorを用いることで、以下のような価値が生まれると見込んでいます。

  • システムの構築・運用の自動化・自律化・標準化が進み、システムを維持するためだけに費やされてきたIT費用を、より企業価値を高めるサービスの投資へ振り向けることができるようになる。
  • システムの構築・維持運用に手を取られている専門家の能力を、より企業価値を高めるサービス企画へ移転させることができるようになる。
  • クラウドベンダーにロックインされることがなくなり、費用や提供サービス、クラウド自身の安全性等を元に、そのシステムにとって最適なプラットフォーム・ポートフォリオを柔軟に手に入れられるようになる。
  • システム構成のパターンのコンサルティングやサポート、最適なプラットフォーム・ポートフォリオのアセスメントといった新しいソフトウェア市場が創出される。

CloudConductorによる産業貢献.png

CloudConductorを用いれば、

  • テスト済みのパターンを用いることで基盤構築の期間を圧縮したり、
  • インフラ・運用まで含めたパッケージとしてアプリケーションをソリューション化したり、
  • クラウド移行時に無理なく災害対策機能をもたせたり

することができるようになるでしょう。
皆さんも、クラウドオーケストレーションの活用によって広がる新しい世界について、私達と一緒に思いを馳せてみませんか。

クラウドオーケストレーションやCloudConductorをより詳しく知りたい方に

セミナー・勉強会

直近では 2014/05/09(金) 15:00 - 18:00 @ 品川 にて、日立ソリューションズ・SCSKと共同で、 クラウドオーケストレーションセミナー を開催する予定です。ご興味のある方は、 ATND からお申し込みください。

  タイトル 講演者
基調講演 クラウドとOSS、最近の業界話題  株式会社電通国際情報サービス 渥美 俊英 
クラウドオーケストレーションの取組 Sennin.io 株式会社日立ソリューションズ 赤木 直樹
PrimeCloud Controller SCSK株式会社 瀧澤 与一
CloudConductor TIS株式会社 松井 暢之
パネルディスカッション モデレータ:渥美 パネリスト:赤木、瀧澤、松井

※敬称略

OSSコミュニティ活動

クラウドオーケストレーション市場の醸成とCloudConductorの普及を目指し、OSSコミュニティ( OSSコンソーシアム クラウド部会 )での議論や検証、各種セミナー・勉強会の開催や展示会への出展を企画しています。ご興味の有る方は、OSSコンソーシアムのWebページからご連絡ください。

最新情報

その他最新情報は CloudConductorの公式サイトFacebookページTwitter 等で報知します。
ぜひご確認ください。

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